ハサミ型力覚提示装置の開発

 

 ハサミ型力覚提示装置は仮想被切離物体の構築手法の開発と同時進行で研究開発を行いました.この研究で,物体を切る時に得られる切離感覚は物体の物性値(弾性・粘性)およびハサミの特性(ハサミの長さ・刃先の鋭さ・ハサミのどこで切るか…etc.)などの条件をすべて反映するとの見識を得ました.詳しくは論文をご参照ください.

 力覚提示装置の開発時にはこれらの見識をベースとし,ワイヤフレームモデルとして構築した仮想シート状物体が,切離され,重力により垂れ下がる様子も表現しました.

ハサミ型デバイスの概念図と実デバイス

ハサミによって切られた仮想シート状物体の表現

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説  明

 まずデバイスに連動して動く仮想ハサミを構築しました.

 ハサミは,2枚の刃が支点で組み合わされており,ここを基準点として動作を決定します.

 基準点の決定が一意的に定まるので,ハサミ型の切離器具は他と比較すれば表現がしやすい道具です.

 画面表示はこのようになっています.

 仮想ハサミのデータは実際のハサミから実測しました.一般的な文房具屋で売っている家庭的なハサミです.

 柄が透けているのは,描画を速くするためです.

 次にシート状の仮想物体を構築して,仮想はさみで切離します.

 描画速度との兼ね合いで,シート状物体を表現する格子の目が粗いのですが,デバイスと連動した仮想ハサミによって仮想シート状物体が切れていきます.

 画面表示はこのようになります.ハサミは描画速度の都合によりワイヤーフレーム表示ですが,一応の形状は分かります.

 画面左下に表示されるのが切離感覚を与える抵抗力であり,これに比例した力を操作者はデバイスから得ます.